光プローブによる結晶成長の原子・分子レベルの新しいその場観察法の研究-表面光干渉法-
【研究分野】応用物性・結晶工学
【研究キーワード】
その場観察 / 光プローブ / 表面光干渉法 / SPI / 化合物半導体 / ヘテロエピタキシ- / セレン化亜鉛 / MOVPE / エピタキシー / 結晶成長
【研究成果の概要】
本研究では、本申請者らが開発した表面光干渉法(Surface Photo-Interference:SPI)と呼ぶ新しい原理に基づいた原子・分子レベルでの成膜モニターについて、下記のように検討を進め、MOVPEなどの非真空系での化合物半導体のヘテロエピ成長でのその場観察手段として有効であることを確認・実証した。
まず、GaAs基板上へのZnSe成長とともにCdSeの成長についても、MOVPEとMOMBE成長系でのヘテロエピ成長過程のSPIによる解析をすすめ、実験結果を詳細に比較検討し、両者では成膜素過程に大きな相違があることを明らかにし、今後の伝導性制御への有効な知見を得た。
次に、多波長のSPI信号の同時測定のための準備として、プローブ光の波長を変えた場合の理論解析をすすめ、プローブ光のエネルギーが成長中の半導体のエネルギーギャップより大きい場合であってもSPI信号が得られることを確認した。これに基づき、ハロゲンランプを光源として白色光ビームをつくり、これをプローブ光として得られた反射光を、光マルチチャネルアナライザーで多波長のSPI信号を同時に検知する分光SPI信号測定系を構成した。これにより、表面反応に基づくと考えられる分光SPI信号の測定に成功したが、分光SPIではヘテロエピ膜の厚さの変化につれてスペクトル構造が変化することがわかり、現在、詳細な解析を進めている。この分光SPI信号は、SPI信号をより発展させた形で、MOVPE系での有望な成膜モニターと成ると考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小林 正和 | 千葉大学 | 工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1993 - 1994
【配分額】6,300千円 (直接経費: 6,300千円)