赤外光電変換の高効率化に向けたナノヘテロ界面構造制御
【研究キーワード】
太陽電池 / 赤外光電変換 / 量子ドット / ワイドギャップ半導体 / ナノ構造材料 / 低次元材料 / コロイド量子ドット / ZnOナノワイヤ / バルクヘテロ構造 / ナノ構造 / 光電変換
【研究成果の概要】
透明導電性基板上のZnOナノワイヤ(NW)を包埋するように、PbSコロイド量子ドットを充填して混合活性層を作製し、その上にAu電極を成膜した太陽電池の赤外分光感度の向上を目指し、混合活性層の電子構造の解明、高品質化を行った。本太陽電池が高赤外分光感度や高耐久性を有する要因として、ZnO NW中の電子が、Au電極に拡散できないエネルギー障壁を有する電子構造であることを明らかにした。電荷輸送に影響するZnONWの欠陥や電子格子相互作用を発光分光法で調べ、酸素下500℃の熱処理が欠陥低減に有効であることを明らかにした。混合活性層を活用することで、非鉛系赤外吸収ナノ結晶を用いたセルの高効率に成功した。
【研究の社会的意義】
地球温暖化対策の一つとして、太陽光発電の大規模導入が急務であり、既存の設置環境に加え、車輛など設置面積の制約が強い用途にも、普及させなければならない。これを実現するためには、単接合セルの理論限界(約30%)を凌駕する超効率太陽電池を安価に作製することが不可欠である。コロイド量子ドットは、合成条件を整えると、太陽光スペクトルのほぼ全領域を吸収できるようになる。また、低コストの低温溶液プロセスでのセル作製が可能であり、超高効率と低コストの両立を目指した次世代太陽電池の有望な材料である。本研究成果は、これらの有望な材料で超効率太陽電池を構築するための、基礎科学を提供すること。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)