CCD型X線検出器を用いたX線小角散乱によるミクロ相分離の動的構造研究
【研究分野】応用物性・結晶工学
【研究キーワード】
X線 / 小角散乱 / シンクロトロン放射光 / 時間分割 / ミクロ相分離 / せん断 / ブロック共重合体 / ラメラ / X線小角散乱 / X線検出器 / シンクロトロン放射 / CCD / 動的構造 / シクロ相分離
【研究成果の概要】
ブロック共重合体、液晶、界面活性剤が示すミクロ相分離は、濃度、温度、圧力、外力によって特有のモーフォロジーを示す。これらの物質が示す多様なナノスケール構造(立方配列、ヘキサゴナル配列、ラメラ構造など)は、光学・マイクロエレクトロニクス等に応用できる可能性を秘めている。特に、ブロック共重合体はその形態がブロックの数やその長さ、化学組成を変化させることによって、容易に系統的に制御することができるという魅力的性質を備えている。
近年、特にブロック共重合体のラメラ構造の振動せん断歪みに対する配向挙動の変化が注目を集めており、その研究が盛んになりつつある。たとえば、ポリスチレン・ポリイソプレンのブロック共重合体に振動せん断歪みをかけた際、ラメラ構造がその振動数、振幅、温度に依存して、perpendicular、parallel、transverseの3方向に配向する事、またその配向が振動せん断過程とともに変化することが観察された。この現象を利用して機能的物質をデザインするためには、分子構造、配向構造と加工条件(振動数、温度、歪み)の関係に関する物理的知見を得ることは不可欠であり、緩和現象を中心として、そのナノスケール構造の変化を明らかにすることが望まれている。
本研究では、先ず、サブ秒の時間分解能で時間分割測定が可能な高感度CCD型2次元X線検出器、および、せん断歪みを加えながらX線を異なる3方向から試料に入射できるせん断装置の開発を行った。次に二つの装置を組み合わせ、シンクロトン放射光を用いた時間分割X線小角散乱法により、ポリスチレン・ポリイソプレンのブロック共重合体に対し振動せん断歪みをかけたときのミクロ相分離の配向挙動の直接観察を行い、そのメカニズムを解明することを目指した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
沖津 康平 | 工学部総合試験所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
上ヱ地 義徳 (上工地 義徳) | 東京大学 | 大学院・新領域創成科学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】1,800千円 (直接経費: 1,800千円)