実時間2波長励起フォトルミネッセンス法による非発光再結合準位の動的挙動計測
【研究分野】応用物性・結晶工学
【研究キーワード】
非発光再結合準位 / 結晶評価 / フォトルミネッセンス / 光物性 / 量子井戸 / 量子閉じ込め
【研究成果の概要】
1.2波長励起PL測定系の構築
ヘッドオン型XeClエキシマーランプ(222nm)および自作の反射型自然放出光除去光学系、高感度・高S/N比で微弱光の実時間計測が可能なElectron Multipher(EM)-CCDカメラ、4K付近まで測定可能なクライオスタットを新たに導入し、また面内分布測定用の視野絞りを有する顕微光学系2波長励起PL測定装置を構築した。
2.半導体量子井戸試料の結晶成長と2波長PL測定
短波長発光材料として開発が望まれているGaN系組成で量子井戸構造を設計し、MOCVD成長を継続した。InGaN、GaN/AlGaN量子井戸構造、InAs/GaAs量子ドット構造等で禁制帯内の非発光再結合準位を検出し、BGE強度増加に伴うPL強度変化の飽和傾向(トラップフィリング効果)を確認した。深紫外域用AINバッファー層の高品質化を通して、室温CW動作で1桁以上の発光効率改善を達成した。
3.面内分布と動的挙動計測
測定中不可逆的変化を示した試料の検討を進め、励起Nd:YAGレーザー光による表面欠陥準位の生成によることを示した。EM-CCDカメラを用いた面内発光強度分布測定を進め、バンド端PL強度分布が非発光再結合準位の面内不均一性に依存することを実証した。これらの成果は非発光再結合準位の面内分布やその形成状況を把握する上で重要であり、非接触、電極不要という本手法の有効性をさらに活用した技術基盤が得られた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
本多 善太郎 | 埼玉大学 | 大学院・理工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
荒川 泰彦 | 東京大学 | 先端科学技術研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】14,050千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 1,050千円)