ナノ炭素磁性体の理論設計
【研究分野】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究キーワード】
グラファイト / ナノグラファイト / 分子磁性 / 平坦バンド強磁性 / ナノチューブ / 第一原理計算 / ハバード模型 / トランスコリレーティッド法 / ナノ炭素構造 / 平坦バンド / フェリ磁性 / トランスコリレイティッド法
【研究成果の概要】
1.水素終端型磁気的ナノグラファイトの設計:
ジグザグ端の一方を一水素化しもう一方を二水素化する、水素付加による磁気的ナノグラファイト・リボンの設計を行った。高スピン分子も設計し、磁気モーメント発生を電子状態計算により確認した。
2.水素終端型磁気的ナノチューブ・磁気的ナノホーンの設計:
水素付加の方法により、磁気的ナノチューブ・磁気的ナノホーンを設計した。細い有限長ナノチューブでの磁気モーメント発生は有限サイズ効果により小さな値になることを示した。
3.フッ素終端型ナノチューブの電子状態計算:
フッ素終端型磁気的平面状ナノグラファイトと異なり、有限半径・有限長のフッ素終端ナノチューブでは磁気モーメント発生が見出されないことを示した。
4.グラファイト・ダイヤモンドハイブリッド系における磁気的性質の予言:
グラファイト-ダイヤモンドハイブリッド構造を設計し、磁気偏極したナノワイヤーをダイヤモンド(100)表面上に形成できることを理論予測した。
5.アームチェア型・ナノグラファイトにおける欠陥誘起磁性:
安定したアームチェア型の端に欠陥を制御して導入することで、磁気的アームチェア型・ナノグラファイト・リボンを設計した。
6.水素終端ナノグラファイト素片におけるエッジ状態解析:
水素終端されたナノグラファイト素片においてSTM観測された状態がエッジ状態起源のものであることを、強結合模型による電子状態解析を用いて明らかにした。
7.強相関効果を取り込んだナノ炭素磁性体設計算手法の開発:
強相関効果を取り込んだ第一原理計算手法による磁気的ナノ炭素構造の理論設計のための、新しい第一原理計算手法として、局所揺らぎの同定から有効多電子模型を形成するという、密度行列汎関数理論によるナノ炭素構造の設計手法を構築した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
鈴木 直 | 大阪大学 | 大学院・基礎工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
常行 真司 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】8,600千円 (直接経費: 8,600千円)