球状多分岐ポリマーを鋳型とした導電性ナノ球状物質の創製
【研究分野】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究キーワード】
樹木状多分岐ボリマー / ブロック共重合体 / リビングアニオン重合 / フェニルビニルスルホキシド / 導電性 / ミクロ相分離 / ナノ機能物質 / ポリアセチレン / 導電性ナノ物質 / 樹木状多分岐ポリマー / 小角X線回折
【研究成果の概要】
2個の官能基変換が可能なアニオン開始剤を用い、メチルメタクリレートのリビングアニオンポリマーの合成、官能基の反応性基への変換、再び同じ官能基開始剤を用いて重合と官能基変換を繰り返すことで、高世代樹木状多分岐ポリマーの精密合成を行った。また同様な方法を応用することで、多数の腕を有する星型ポリマーの合成にも成功した。これらのポリマーは表面に高反応性を有するベンジルブロミドやアニオン種を多数有していることを利用して、フェニルビニルスルホキシドのリビングアニオンポリマーの結合反応、あるいはリビングアニオン重合を開始することで、ポリマー表面に導入した。さらに得られたポリマーを加熱処理をすることで、導入したポリ(フェニルビニルスルホキシド)を導電性のポリアセチレンに変換した。加熱条件を工夫することで、ほぼ定量的にポリアセチレンに変換することが可能である。リビングアニオン重合を用いているため、構成しているポリマーの分子量を自在に制御できることを利用して、分子量、組成、世代、腕数等を様々に変化させた一連の導電性を有し、星型、あるいは樹木状多分岐構造を有するブロック共重合体の精密合成に成功した。
得られたポリマーは、SAXSや光散乱法で測定すると、20-50nmの直径を有し、完全に球状ではなくやや非対称の楕円球に近い構造であることがわかってきた。また電子顕微鏡観察より、分子レベルで相分離していることも確かめられたので、現在構造と相分離により形成されるナノオーダの規則性を有するナノ形態の関連を検討している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
杉山 賢次 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)