流れの解析と可視化による垂直軸風車の実用化の研究
【研究分野】エネルギー学
【研究キーワード】
垂直軸風車 / シュミレーション / 可視化 / 実験 / サボニウス風車 / クロスフロー風車 / ジャイロミル風車 / シミュレーション / サボニウム風車
【研究成果の概要】
平成16年度は、パドル型風車、S型ロータ、サボニウス風車、クロスフロー風車の2次元数値シミュレーションに対するプログラムの開発を行ない、こういった風車まわりの流れの解析を行った。さらに、サボニウス風車の風洞実験に向けて試作機の制作や予備的な測定をおこなった。
平成17年度は、この研究成果を踏まえて以下の計画によって研究を行った。まず、低速回転する風車では、起動時の特性や風速の変化による回転のゆらぎ等が問題になるため、16年度に作成した計算法に改良を加え、このような状況にも対応できるようにした。具体的には風車の回転角速度を一定にせずに時間の関数として与えられるように拡張した。さらに、風車の材質の違い(たとえばアルミニウム製とステンレス製)による風車の性能の違いを数値シミュレーションで予測できるようにも拡張した。次に低速風車に対して3次元のシミュレーションを行ない、現実の状況に対応できるようにした。一方、垂直軸風車で高速回転して発電に適したダリウス風車に着目し、高速回転中のダリウス風車まわりの流れを数値シミュレーションにより解析し、空力データを数値的に求めた。
平成18年度は前年度までの研究成果を踏まえて、さらに現実に近い状況における各種風車のシミュレーションを行った。具体的には、風車が受ける風は一様ではないため、変動流内での風車の性能を数値シミュレーションと実験により調べた。特に分担者(林)が以前の科研費で設置した風洞は脈動流が取り扱えるものでありそれを有効活用した。低速回転のサボニウス風車では、起動時の風向依存性をなくすため、多段型(向きを変えていくつか重ねたもの)や振じれ型のものを重点的に調べた。垂直軸揚力型風車では、起動特性を向上させるため低速風車とのハイブリッド型を考え、その性能評価を行った。
【研究代表者】