電力・非電力部門を考慮した数理計画モデルによる再エネ大量導入可能性の分析
【研究キーワード】
再生可能エネルギー / エネルギーシステム / 電力システム / カーボンニュートラル / 分散型電源 / 調整力 / 電力ネットワーク / 電力系統 / 需給計画
【研究成果の概要】
本研究課題の目的は、数理計画モデルにより、再生可能エネルギー大量導入シミュレーションを行い、それを実現するための具体的な再エネ大量導入シナリオを提示することにある。令和3年度はエネルギー政策動向を踏まえ、新たに、CCUS付石炭火力、CCUS付LNG火力、水素専焼発電、水素混焼LNG火力、アンモニア混焼石炭火力を考慮した最適電源構成モデルを構築し、再生可能エネルギー大量導入に関する数値シミュレーション分析を主に実施した。また電力系統ネットワークに関しても、再エネ大量導入を見据えて広域的な系統開発計画が検討されていることから、北海道-東京間の高圧直流送電(HVDC)等を新たにモデル化し、電力基幹系統の規模を拡張した。また特に、再生可能エネルギーの余剰電力により水電解で製造した水素や、その水素の利用用途としてメタネーション(合成メタン製造)を考慮した最適電源構成モデルを開発し、再生可能エネルギーの部門横断的利用の可能性に関して、分析を実施した。合成メタンの利用用途としては都市ガスを考え、発電部門と都市ガス部門を横断的に取り扱う最適電源構成モデルを開発して分析を行った。具体的には、国内水素製造、輸入水素、メタン合成の経済性について分析を行い、送電線制約の他にLFC調整力の確保制約や各発電機の起動停止について考慮して分析した。またその際、電力系統の安定性確保において重要な役割を担う系統慣性力を明示的に考慮することにより、詳細な再エネ大量導入分析を可能とした。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)