金属酸化物を用いる太陽/化学エネルギー変換システム開発に関する共同研究
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
高温ソーラケミストリー / 2-step水分解反応 / サンベルト / 太陽熱 / ソーラーハイブリッド燃料 / 太陽エネルギー / 金属酸化物 / フェライト / NREL / PSI / グローバル太陽エネルギー利用システム / 集光太陽熱 / 2相系酸化物プロセス / 太陽炉 / 第4回「温暖化ガス抑制技術国際シンポジウム」 / AIJ / オーストラリア砂漠地帯 / 2段階水分解反応 / 高温ソ-ラケミストリー国際シンポジウム / 酸化亜鉛 / 化学エネルギー / 酸化カルシウム / 鉄酸化物 / 水素エネルギー
【研究成果の概要】
本研究の目的は、金属酸化物や反応性セラミックスを高温ソーラーケミカル反応に用いて、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する太陽熱化学反応に関する研究を国際共同で進めることにある。また、世界はサンベルトにおける豊富な太陽エネルギーを実用化するため、太陽熱利用技術の開発研究が盛んで、わが国も21世紀には、このようなサンベルトでの太陽エネルギー利用を考えなくては、わが国だけが太陽エネルギー利用から取り残されることになる可能性が高い。本研究の目的の一つは、このような世界の第一線の研究に日本が参加する事により、この分野における世界の研究レベルを学び、日本にとってこれらの太陽エネルギー研究の意義を明確にすることでもある。本研究を国際共同で進めたスイス国立PSI研究所は、IEA(国際エネルギー機関)のSolarPACES(Solar Power and Chemical Energy Systemの略)Taskl1の事務局であり、IEAのSolarPACESTaskIIにおいて国際機構によるプログラムとして高温ソーラーケミストリー研究を推進している場所でもある。本共同研究では、金属酸化物やフェライトを用いる水素エネルギー生成反応に利用する太陽炉反応としての特性を明らかにし、東工大側により2相系の酸化物プロセスによる2-step水分解反応を新たに見出し、高温ソーラケミストリーによる太陽エネルギーからの水素生成技術を進展させる特筆すべき成果を得た。さらに、これらの基礎的な研究に合わせ、昨今の地球温暖化問題に対処するための太陽エネルギー利用への応用という観点から、実際にサンベルトでの太陽エネルギー基地建設構想までの可能性についても、世界の高温ソーラーケミストリー研究者との討論や国際学会を通じて検討を行った。その一つの成果として、オーストラリアでのソーラーハイブリッド燃料の生産に関する共同研究体制造りの下地を作ることができた。
以上のような目的と成果に照らしてみると、本研究はその目的をかなり達成したと言える。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
クーン ピーター | スイス国立パルシェラ研究所 | 主任研究員 |
スタインフェルト アルド | スイス国立パルシェラ研究所 | 主任研究員 |
辻 正道 | 東京工業大学 | 炭素循環素材研究センター | 助教授 | (Kakenデータベース) |
KUHN Peter | Paul Scherrer Institute・Dept.of Solar Energy, Head researcher |
STEINFELD Aldo | Paul Scherrer Institute・Dept.of Solar Energy, Head researcher |
KHUN Peter | 国立パルシェラ研究所 | 太陽エネルギー部 | 主任研究員 |
STEINFELD Al | 国立パルシェラ研究所 | 太陽エネルギー部 | 主任研究員 |
天野 宏紀 | 東京工業大学 | 理学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
MISCLIEL Dan | 国立パル | シェラ研究所・太陽エネルギー部 | 主任研究員 |
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【研究種目】国際学術研究
【研究期間】1996 - 1998
【配分額】13,800千円 (直接経費: 13,800千円)