金属ハライドペロブスカイトにおける多励起子生成系の構築と光エネルギー変換
【研究キーワード】
鉛ハライドペロブスカイト / ホットキャリア / 光エネルギー変換 / 高速時間分解分光 / ペロブスカイト / 多励起子生成 / 結晶構造解析 / 有機金属ハライドペロブスカイト / 時間分解分光 / 単結晶X線構造解析 / ペロブスカイト太陽電池 / 金属ハライドペロブスカイト / エネルギー移動 / 光電変換 / 再生可能エネルギー / 有機金属ハライドペロブスカイ
【研究成果の概要】
本研究では従来の単一光子から単一電子正孔対を生成する原理によらず、多励起子生成などの新たな機構を駆使することによってこれまで成し得なかった高効率エネルギー変換と低コスト化を両立することが出来る次世代の太陽電池の実現を目指す。金属ハライドペロブスカイトが示す光励起によって生じるエキシトンの特異的性質を活かし、1光子から多電子-正孔対を生成する金属ハライドペロブスカイトの新素材の開発と、従来の化合物半導体をベースとした多接合太陽電池では困難であった塗布プロセスによる低コスト化に繋がるデバイス構築に向けて研究を行う。今年度は主にI.時間分解分光による再結合ダイナミクスの解析、及びII.単結晶X線構造解析による前駆体結晶の構造解析とドーパントの取り込みの過程についての調査、III.高速時間分解分光によるエネルギー移動過程の解析について詳細な実験を行った。
I.ではフェムト秒時間分解過渡吸収測定及び時間分解蛍光測定から金属ハライドペロブスカイト結晶内部でのオージェ再結合速度の解析を行い、キャリア密度と再結合速度との間に強い相関があることが明らかになった。II.については、ペロブスカイト前駆体の結晶構造を解析することにより、ドーパントがどのような過程で取り込まれるのか検討した。III.については金属ハライドペロブスカイトの励起直後のキャリアダイナミクスを高速に測定することにより、光キャリアの緩和過程とドーパントへのエネルギー移動との関係を明らかにすることができた。これにより、金属ハライドペロブスカイト内の励起子の余剰エネルギーの利用が可能であることが示唆された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)