南西諸島人骨格の人類学的再検討
【研究分野】人類学(含生理人類学)
【研究キーワード】
頭蓋 / 計測 / 形態小変異 / 顔面平坦度 / 琉球 / アイヌ / 系統 / 形質人類学 / 南西諸島
【研究成果の概要】
1.奄美諸島住人の頭蓋140例、沖縄本島122例、先島諸島63例について、計測的、非計測的特徴を調査した。
2.顔面平坦度計測の結果から、沖縄本島人が予想以上に顔面が平坦であることが明らかになった。
3.沖縄本島人の顔面の平坦性は渡来系弥生人、古墳人とほぼ同様で、顔面の立体的なアイヌや縄文人とは著しく異なっていた。
4.したがって、従来の伝統的計測法による結果のみをもって、琉球・アイヌ同系説を議論することがいかに危険であるかを指摘した。
5.頭蓋の非計測的特徴の出現パターンも、沖縄、奄美諸島人はアイヌや縄文人と明らかに異なり、むしろ本土の日本人や中国人と近いことが明らかになった。
6.我々の今回の結果だけから、琉球・アイヌ同系説を否定してしまうのもまだデータ不足と思われ、例数がまだ100例に満たない先島諸島を中心に、今後も調査を継続することで共同研究者と意見が一致した。
【研究代表者】