きのこの分布境界線を超多数の目で明らかにする
【研究キーワード】
菌類 / 分布 / 境界 / きのこ / 市民科学 / 環境DNA / DNAバーコーディング / 北限 / 微生物 / 市民参加型調査
【研究成果の概要】
本研究プロジェクトの目的は、以下の4点に集約できる:
①きのこ類複数種の国内における分布の北限・南限を明らかにする;②分布推定域内における土壌中の対象種DNAの検出率の差異を検証する;③種内の遺伝的多
様性から分布の北上(南下)を考察する;④博物館をハブとする微生物の市民参加型調査の先例をつくる。以上に基づき、2021年度の研究計画は、1)東北北部地域および北海道南部地域における野外調査を進める、2)対象とするきのこの種を選定しさらに拡大する、3)対象種のDNAマーカーを整備する、の3点であった。
日本国内において分布の北限(および南限)があると考えられ、かつ多数の協力者によりその発生が容易に観察できると考えられるきのこの対象種を選定した。文献情報、新聞・ニュース等のメディア報道、ネーチャーガイド等からの目撃情報などから、現時点で把握できる限りの、各対象種における分布の北限を推定した。それら対象種のうち、オオシロカラカサタケ、ソライロタケ、シンジュタケについては菌類のDNAバーコード領域である核ITS領域の塩基配列を決定したうえで、種特異的プライマーを設計し、環境(主に土壌)から検出するための体制を整えた。また、それら対象種についてはMIG-Seq法によるSNPsデータを取得した。一方で、一部の対象種はタイプ標本が海外に保管されており、貸出による利用ができないものもあるため、直接海外の標本庫に出向くことで形態観察、DNA抽出などを行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により実行はできなかった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
糟谷 大河 | 慶應義塾大学 | 経済学部(日吉) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)