極限環境を生き抜く南極クマムシの生存戦略としての耐性機構の解明
【研究キーワード】
クマムシ / 南極 / クリプトビオシス / 繁殖 / 生存戦略 / 極限環境 / 生態 / 耐性
【研究成果の概要】
驚異的な極限環境耐性能力で知られるクリプトビオシス動物が「厳しい環境の中でどのように環境耐性能力を活かしながら生存を可能にしているのか」は明らかとなっていない。本研究課題では、クリプトビオシス動物として知られるクマムシの中でも、生物にとっての極限環境である南極の陸上に生息する南極クマムシを対象とし、凍結・乾燥に対する応答性を、損傷量やそれら損傷に対する修復能力において調べる。それらの実験データと、生息環境データとを併せて解析を行うことで、極限環境を生き抜く南極クマムシの生存戦略としての耐性機構を明らかにすることを目的としている。
本研究課題では、南極の固有種であり南極域でも最も過酷な陸上環境で広域に分布している、南極クマムシAcutuncus antarcticusの飼育個体を用いて室内実験を実施している。当該年度も引き続き新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大の影響を受け、当初の計画通りに実験を進め、解析を終わらせることができなかった。一方、Acutuncus antarcticusを対象とした耐性実験は実施することができ、条件を変えることによって回復する生存数が異なる結果を得られた。実験条件により、クマムシ体内の損傷量や修復過程が異なる可能性が考えられたので、次年度にはそれらを考慮したうえでの実験計画を準備した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)