植物食の起源とその多様な展開
【研究分野】生態・環境
【研究キーワード】
潜葉虫 / 送粉 / 植物食 / 被子植物 / 絶対送粉共生 / 多様化 / コミカンソウ科 / 多様性 / 寄主特異性 / 送粉者群集 / 食植者 / コケ食 / 栽培共生 / ハモグリバエ / コミカンソウ属 / ハナホソガ / コケ / キノコバエ / コケ植物 / シギアブ科 / コバネガ科 / キノコバエ科 / 装飾花 / コバネガ / シギアブ / 食植性昆虫 / 食植性 / 共生 / 共進化
【研究成果の概要】
最も祖先的な植物であるコケ植物を摂食する昆虫類、特にコバネガ類とシギアブ類の多様性、形態、生態、寄主特異性、系統について明らかにした。また、コケの虫えいを世界で初めて、ペルーのミミカキゴケで発見したが、それは、種子植物の虫えいで見られるような装飾や硬化が見られないという顕著な特徴が見られた。これらの調査に並行して、著しい多様性を持つ潜葉虫類の寄主植物データベース作成の作業を進めた。一方、植物と植食者の究極の共生系であるコミカンソウ科の絶対送粉共生系はこれまで旧世界からしか見つかっていなかったが、今回新大陸から初めて見出した。これまでの絶対送粉共生に関する知見をまとめ、その総説を上梓した。
【研究の社会的意義】
腐肉食や肉食だった昆虫がいかに植物食になったのか、いまだにコケ食を続けている祖先的な昆虫(コバネガ科やシギアブ科)はどのような生態をしているか、虫えいはいかに起源したか、潜葉虫はいかに多様化していったか、種子食性の昆虫がいかに送粉者に変化し、植物の共生のパートナーになっていったのか、といった進化の重要なテーマに本研究は切り込んだ。これらの発見は、植食者がいかに起源し、どのように多様化していったかについて、新しい視点を提供するものである。また、コミカンソウ科の絶対送粉共生についてまとめた英語の総説は、高度に相互依存的な一対一の共生関係のモデル系として、進化学や生態学の発展に寄与するであろう。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
畑 啓生 | 愛媛大学 | 理工学研究科(理学系) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
奥山 雄大 | 独立行政法人国立科学博物館 | 植物研究部 | 研究主幹 | (Kakenデータベース) |
川北 篤 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2020-03-31
【配分額】39,780千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 9,180千円)