翼手目由来感染症リスクの対応戦略構築のための疫学的基礎データの収集
【研究分野】疫学・予防医学
【研究キーワード】
感染症 / 翼手目 / コウモリ / 気候変動 / 疫学調査 / 気象変動
【研究成果の概要】
日本の南に位置するフィリピン及び台湾に生息する翼手目(コウモリ)が気候変動によって将来、日本に生息し、これら南方のコウモリに由来する感染症が日本において問題になることが推測される。本研究ではこれら南方のコウモリが持っている細菌、ウイルス、原虫等の病原体の疫学調査を実施し、コウモリ由来感染症の対応戦略のための基礎データを構築することを目的とする。
2017年に台湾でコウモリ捕獲調査を行ったが、台湾ではコウモリの種も数も限られることが解った。2019年1月および6月にフィリピンで捕獲調査を行い、合計約170頭のコウモリを捕獲した。研究期間内には解析を完了できなかったが、いずれ結果を報告する。
【研究の社会的意義】
新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって明らかになったように、感染症は公衆衛生上の極めて重要な課題である。新型コロナウイルスもコウモリ関連ウイルスであることが示唆されているように、コウモリ由来感染症に関する理解を深めることは将来の公衆衛生対策上必須である。研究期間内にデータ解析を完了できなかったが、早急に成果をまとめ、発表したい。本研究の成果は、フィリピンは下より、将来のわが国の感染症対策に必ずや役立つものと確信する。
【研究代表者】