多様性を有するRNAキナーゼの進化情報解析とその情報に基づいた酵素機能の改変
【研究分野】進化生物学
【研究キーワード】
分子進化 / ポリヌクレオチドリン酸化酵素 / 情報学的解析 / 実験検証 / 巨大タンパク質 / リン酸化酵素 / 新規巨大タンパク質 / 3大生物ドメイン / 生命情報科学 / タンパク質ドメイン / RNAキナーゼ / 系統樹 / 機能ドメイン / Clp1 / 進化情報 / マルチドメインタンパク質 / 基質特異性 / 合成生物学 / CLP1
【研究成果の概要】
RNAのリン酸化酵素としてClp1が知られている。Clp1の大規模分子進化解析の結果、計3,577件のClp1関連タンパク質を検出した。その多くは真核生物やアーキアに由来し、バクテリアには限られた種にしか存在しなかった。Clp1のキナーゼドメインは、全てのClp1関連タンパク質に共通であり、N 末端やC末端領域には生物種やファミリーに特徴的なドメインが保存されていた。また、1,000アミノ酸残基以上の巨大なClp1関連タンパク質を122個検出した。さらに、Thermus scotoductus Clp1組換え体酵素を用いて、バクテリアClp1のリン酸化活性を世界で初めて実験科学的に検証した。
【研究の社会的意義】
RNAキナーゼであるClp1に関して、タンパク質のドメインレベルで、特に真核生物において機能の分担をしながら分子進化していく様相を明らかにできた。この研究過程で、Clp1のキナーゼドメインを有した巨大タンパク質 (Clp1様タンパク質)を見出した。Clp1はヒトで遺伝病の原因遺伝子となっていることから、今回見出したClp1様タンパク質も遺伝病に関わる可能性がある。また、バクテリアで初めてとなるClp1分子を同定し、その生化学的な活性に関して検証した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)