遺伝子ハンドリング技術を用いた単一細胞内調節タンパク質の機能解析法の開発
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
ケージド遺伝子 / 温度パルス法 / DNAチップ / PCR法 / 筋芽細胞 / GGP-アクチン / アクチンフィラメント / ストレスセンサー / GFP-アクチン / ケージドDNA / 温度パルス顕微鏡法 / 遺伝子ハンドリング / DNAの熱変性
【研究成果の概要】
DNAの固定化と選択的回収法(DNAチップの開発):クロム基盤上へのDNA固定化法と、赤外レーザー照射・温度パルス法による選択的な回収法を確立し、その方法の詳細を論文として公表した。これはDNAチップの一つの形態である。Caged DNA合成の試み:DNA塩基のアミノ基を(4,5-dimethoxy-2-nltrobenzyl bromide(DMNBB)で化学修飾し、DNAの複製機能を一旦失活させ、それを紫外線マイクロフラッシュ法によって再活性化するという方針でCaged DNAの合成を試みた。一時はPCR法によって確認できたと思われたが、再現性に問題があり、DNA塩基のアミノが化学修飾に対して活性が高くないと結論した。さらに、Caged遺伝子を調製したという論文が発表されたので、我々は方針を転換し、新手法の開発に力を入れた。GFP-アクチンの心筋培養細胞内発現:ニワトリの未分化筋芽細胞・マウス筋芽細胞株C2C12へ、蛍光タンパク質GFPをfusionしたアクチンのプラスミドを導入すること、そしてその未分化細胞を筋管へと分化させることを試みた。その過程でGFP-アクチンが筋収縮系に組み込まれることを示唆する画像を、共焦点蛍光顕微鏡観察によって得た。アクチンフィラメントのストレスセンサー応用:アクチンフィラメントに加わる張力を蛍光画像化し、アクチンフィラメントをストレスセンサーとして利用するための方法を開発しようと、幾つかの試みをした。特殊なGFP-アクチンを発現させたが、単一フィラメントの特性解析には至らなかった。ケモカインリセプターの1分子画像化:細胞表面でケモカインリセプターを1分子蛍光画像化し、ケモカイシ結合に伴う走化性と、レセプターの集合性や運動性を顕微鏡解析した。リセプターはリガンド結合に関わらず2量(数量)体を形成することが明らかになった(論文準備中)。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤田 英明 | 日本学術振興会 | 特別研究員 | (Kakenデータベース) |
岡野 和宣 | 株式会社日立製作所 | 中央研究所 | 主任研究員 |
安田 賢二 | 東京大学 | 大学院・総合文化研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】4,200千円 (直接経費: 4,200千円)