大きな多量体タンパク質結晶化のためのタンパク質大量発現系の構築
【研究分野】生物物理学
【研究キーワード】
遺伝子操作 / タンパク質発現 / 選択マーカー / 多量体タンパク質 / 結晶化 / 細胞性粘菌 / 蛋白質結晶 / 大量発現系 / ミオシン / 蛋白質多量体
【研究成果の概要】
オリゴマータンパク質の遺伝子組み替え体の結晶化には、いくつかの遺伝子を同時に、かつ大量にホスト細胞で発現させる必要がある。本研究では、発現系として、細胞性粘菌Dictyostelium discoideumを用いた実験系を立ち上げることを目的とした。複数の遺伝子を同時に細胞性粘菌内で発現させるために、まず、選択マーカーの作成をおこなった。既存のネオマイシン耐性遺伝子の他には、これまで細胞性粘菌で効率よく使える耐性遺伝子マーカーがなかったので、Blasticidin耐性遺伝子が細胞性粘菌でも使えるように、細胞性粘菌のアクチンプロモーター、アクチンターミネーターでBlasticidin遺伝子をはさみ、これを粘菌細胞内で駆動するようにした。こうして少なくとも二つの耐性選択マーカーが使えるような系を確立した。こうした選択マーカーと多コピープラスミドを併用して、ミオシン重鎖と2本の軽鎖の同時発現をおこなった。この結果、3種類のポリペプチド鎖が多量に発現し、ミオシン頭部ドメインの大量発現が成功した。現在、この系を用いて、ミオシン頭部ドメインの結晶化を試みている。さらに、こうして選択マーカーの幅が広がったことで、細胞性粘菌をもちいたさまざまな細胞生物学的研究、とくに細胞運動に関する研究が可能になるという副産物があった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
足立 博之 | 東京大学 | 大学院・総合文化研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1995 - 1996
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)