運動発生におけるキネシン頚部の役割
【研究分野】生物物理学
【研究キーワード】
モータータンパク質 / 微小管 / キネシン / ncd / モータードメイン / 頚部 / 運動極性 / 頸部 / ミオシン / 回転自由度
【研究成果の概要】
キネシンスーパーファミリーに属するncdは、キネシンとは逆に微小管の一端に向かって運動する。両者の頭部の構造は、結晶構造解析により解かれているが、あまり大きく違わないので、運動方向を決定する要因として、頚部が関与するものと考えられる。そこで、キネシン頭部にncdの頚部をつないだキメラタンパク質を作製し、その運動性を調べたところ、ATP非存在下では微小管を結合するが、ATP存在したで微小管から解離してしまい、一方向への運動を観察することはできなかった。ATPase活性を測定すると、KcatおよびK50%MTsの値は、それぞれ7.8S^<-1>および0.22μMであった。同じ長さの頚部を持つキネシンフラグメント(キネシン頭部+キネシン頚部)のそれらの値と比較すると、キネシンのような連続的な運動ができないと考えられる。以上より、ncd頚部は一端への方向性を決定することはできないが、キネシン頭部の持つ+端方向への運動性をキャンセルできることがわかり、頚部が運動方向決定に重要な役割を持つことが明らかになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
枝松 正樹 | 東京大学 | 大学院・総合文化研究化 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1996 - 1997
【配分額】7,200千円 (直接経費: 7,200千円)