光プローブをもちいたバイオイメージングによる多角的診断・治療法の開発
【研究分野】消化器外科学
【研究キーワード】
生体イメージング / 光イメージング / 発光 / caspase-3 / アポトーシス / 分子機能 / 抗体診断・治療 / ライブ診断 / 発光イメージング / 光プローブ / ストレスイメージング / カスパーゼ / トランスジェニックマウス / 肝腫瘍 / 抗体診断 / Dlk-1
【研究成果の概要】
本研究では、以下のふたつのテーマに関して、研究を行なった。
テーマA:小動物モデルをもちいて種々の病変に対する質的診断、薬剤感受性の検討を目的とした生体イメージング法の開発: luciferase-baseの新規機能プローブ開発によるin vivo imaging。Luciferase をbase としてCaspase-3に対する活性化プローブを作製し、それをアデノウィルスベクターに導入した。このベクターをもちいて様々な細胞、マウス肝臓に遺伝子導入を行ない、細胞レベルおよびマウス実験を行なうことにより、caspase-3 活性(アポトーシス)の生体イメージングに成功した。特に、低酸素・再酸素化、虚血・再灌流時および肝臓切除後再生時に起こる酸化ストレスとアポトーシスの動的解析に成功した。
テーマB:腫瘍特異的抗体への発光・蛍光ドットデュアルプローブの搭載による新しい診断・治療法の確立(術中診断を含め): in vivo/ex vivo imaging。様々な癌細胞抗原(Dlk-1/CEA/EMA/Ep-CAM)に対する抗体を用意し、それらに対して我々が独自に開発した上記光プローブを搭載した。種々の癌細胞におけるこれらの抗原の発現をFACS/Western Blotにて確認した後、ヌードマウスへの移植実験を行ない、モデルを作製した。Dlk-1抗原を発現する肝細胞癌移植実験モデルをもちいて(マウス皮下および肝内)、開発したプローブの有用性を確認した。マウスにおける実験で、紫外線などの照射を必要とせず、基質投与のみで近赤外領域の長波長のシグナルを腫瘍から発することが確認され、また深部病変の検出にも有用である可能性が示唆された。現在他の抗原に対するイメージング実験を行なっている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小澤 岳昌 | 東京大学 | 理学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
森田 直樹 | 産業技術総合研究所 | 分子生物工学研究グループ | 研究グループ長 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2010
【配分額】49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)