鼻腔に学ぶ―人工嗅覚の実現に向けた複雑流路内ガス流れの理解と利用
【研究キーワード】
鼻腔 / マイクロ流路 / 流体力学 / 構造力学 / 機械学習 / 粘性係数 / 分子量 / 流体―構造相互作用 / 気体 / 流体 / 有限要素解析
【研究成果の概要】
本研究では、我々の鼻の内部構造(鼻腔)とガス流れの相関を詳細に検討することで、人工嗅覚の実現に資する最適センサの開発指針を得る。この目的に向け、申請者独自のガス分子量測定法(大気環境、リアルタイム、非破壊)および同特長のガス粘性測定法(2019年採択の国際共同研究強化Bで創出済み)を用いる。これら手法はガス流れに伴う構造体の機械的変形を測定するため、任意のガスから異なる情報を得られる。加えて、その測定流量範囲(mL/min~L/min)、高速応答性(< 1 sec)から、呼吸レベルの流体計測に適している。鼻腔の各要素を模した流路内でこれら測定を行うことで、生物嗅覚に見られるニオイの高感度検出・高精度識別の理由を明らかにする。上記の相関には非線形性が想定されるため、有限要素解析と機械学習を組み合わせたガス流れ・センサ応答の自動最適化プロセスを組み込むことで、研究を加速する。
昨年度は上記目的に向け、呼吸程度の流量範囲で空気を供給しながら計測可能な測定系の構築に取り組んだ。3Dプリンタやポリジメチルシロキサンを利用した流路設計を、条件を細かく変えながら繰り返し試行することで、当該目的に利用可能な流路を得る目処がついている。これら流路内部へのひずみゲージの固定についても検討を進め、気流存在下で安定して出力を得る方法についても概ね確立することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田村 亮 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)