分子鎖の主鎖および側鎖を配向配列制御した高機能性高分子薄膜の創製
【研究分野】高分子合成
【研究キーワード】
真空蒸着 / 配向制御 / 薄膜 / ポリフッ化ビニル / ナイロン / 電気伝導度 / 圧電性 / 焦電性 / ポリ弗化ビニル / ガス検知器
【研究成果の概要】
機能性高分子材料の優れた特徴を十分活かした薄膜を創製するために、有機分子を基板上に水平または垂直に配列するだけでなく(分子鎖軸方向の配列制御)、配列・配向(例えば、芳香環の向き、双極子の向きなど)制御した高分子薄膜を真空蒸着法により作成した。
交互蒸着重合法により分子鎖が整然と配列したナイロン66薄膜を作成した。この薄膜は、膜厚が分子鎖長に対応した高分子単結晶で構築されている。この様に配向した薄膜の電気電動度の温度、湿度依存性を調べた。膜厚方向と膜面内方向の電気伝導度は、膜面内方向のほうが、膜厚方向より1-2桁大きな電気伝導を示した。この電気電動度は、温度、湿度に大きく依存した。
さらに、ナイロンの交互蒸着重合過程において、櫛型電極を用いて分子鎖軸と垂直方向に電場印可して、分子鎖の双極子が一定方向に配列した3次元配向制御薄膜の作成に成功した。このような高分子薄膜は、圧電性を示した。
芳香族系ポリ尿素薄膜を蒸着重合により作成した。この尿素薄膜は、圧電、焦電性、非線型光学特性などが確認され、耐熱性のある機能性高分子薄膜への応用が考えられる。
さらにこの蒸着重合尿素薄膜を利用した超薄膜コンデンサーが作成できる。この様に、蒸着重合法で作成した薄膜は、微細加工技術と組み合わせることにより多くの応用応用分野に展開できる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高橋 善和 | 日本真空技術(株) | 材料研究所 | 部長 |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】10,800千円 (直接経費: 10,800千円)