官能基を有する多段ブロック共重合体の合成
【研究分野】高分子合成
【研究キーワード】
多段ブロック共重合体 / アニオンリビング重合 / 保護基 / 官能基 / 集合構造 / 電子顕微鏡観察 / 小角X線散乱 / 分子量分布
【研究成果の概要】
親水性セグメントとしてポリメタクリル酸(PMAA)、疎水性セグメントとしてポリスチレン(PSt)およびポリpーオクチルスチレン(POSt)、中間の性質を持つセグメントとしてPMMAを選び、これらを種々のシ-ケンスで結合した多段ブロック共重合体を合成し、その集合体の構造を小角X線散乱、電子顕微鏡観察により解析した。合成はTHF中、-78℃アニオン開始剤を用いてリビング重合法によりおこなった。PMAAセグメントの部分は一旦ポリ(tertーブチルメタクリレ-ト)として合成し、ポリマ-単離後トリメチルシリルクロリド/NaIを用いて加水分解して得た。この加水分解では定量的に反応が進行すること、PMMAセグメントの加水分解は全くおこらず選択的にPMAAセグメントが生成することを確認した。代表的な例として(St)_<66>ー(MAA)_<39>、(MAA)_<19>ー(OSt)_<88>ー(MAA)_<19>などのブロックポリマ-は層状のミクロ相分離構造(2相)を示し、(MMA)_<91>ー(MAA)_<37>ー(OSt)_<38>ー(MAA)_<37>ー(MMA)_<91>の5段ブロックポリマ-では3相層状構造が観察された。後者の5段ブロックポリマ-はPMMAホモポリマ-を混合することにより、特徴のある構造が発現することを見出だした。ブロック共重合体のMMAセグメントの重合度(91)に比べてPMMAの重合度(460)が非常に大きい場合は、PMMAマトリックス中に数1000A^^°のブロック共重合体粒子が分散し、混合物の表面に厚さ1000A^^°のブロック共重合体が規則的に配向していることが観察された。また、PMMAの重合度(110)が同程度の場合はミクロ相分離した積層構造は発生せず、層状のブロックポリマ-集合体がPMMAマトリックス中に分散していることが認められた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
竹中 克彦 | 東京工業大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1990
【配分額】5,000千円 (直接経費: 5,000千円)