精密重合規制による超異方性導電性分子デバイス
【研究分野】高分子合成
【研究キーワード】
精密重合規制 / 分子デバイス / 異方導電性 / ラングミュア-ブロジェット膜 / 電解重合 / 積層構造 / 導電性高分子 / 両親媒性 / 超異方性導電性分子薄膜 / ラングミュアブロジェット法 / トポケミカル重合 / 有機電子材料 / 色素増感電子移動リレーシステム / 可視光リソグラフィ
【研究成果の概要】
超微細構造の構築は、種々の機能材料において機能集積化のみならず究極的な量子機能の発現も含めて、新しい機能を目標とする次世代素子である分子素子構築への道を開拓するものである。本研究では、電気的・光学的機能が期待される導電性高分子材料に超微細構造を設計・構築し、超異方性導電性に代表される構造特異的薄膜機能を実現することを目的とした。導電性高分子は、耐熱性、力学的強度、化学的耐久性などの性質に加えて、機能分子を導入できるマトリックスを提供するなど、超薄膜形成の観点からも重要な対象である。本研究の具体的方法とその成果を示す。1.ラングミュア・ブロジェット法により種々の基板上に累積可能な両親媒性ピロ-ル誘導体を合成し、電極上の累積膜を特異な電解重合によってトポケミカル重合を行い、積層構造を保持した導電性高分子LB膜を合成した。得られた導電性高分子LB膜の電導度異法性は100億倍におよんだ。2.この方法を一般化するために、LB膜の成膜対象をポリアニリン、ポリチオフェンに展開した。これらの場合も、重合体の有機溶媒可溶性に着目し、両親媒性ド-パントを複合化した軽置換型ポリピロ-ル重合体を電解重合によって合成し、この累積膜においても3桁におよぶ電導度異方性を実現した。また、高い導電性が期待できるポリチオフェンについても両親媒化をおこない、単分子膜・累積膜を形成することを明らかにした。以上の成果は、いずれも、導電性高分子の新規な超ミクロ機能構造体の道を拓くものであり、また、量子機能をはじめとする新しい機能材料の可能性を示唆するものである。
【研究代表者】