大きな複屈折を有する液晶高分子の合成と光学材料への応用
【研究分野】高分子化学
【研究キーワード】
高複屈折性液晶 / 液晶 / パイ電子系 / 高複屈折液晶 / 構造有機化学 / 光学 / 屈折率 / 複屈折 / 薗頭カップリング / 光学材料 / 高分子 / 縮合系高分子 / 液晶高分子 / 高複屈折
【研究成果の概要】
原子屈折の高いアルキルスルファニル基をもつメソゲンの液晶性の発現に成功した。さらに液晶温度範囲の拡大を行った。分子構造の対称性を下げるにより、融点の低下と液晶相温度範囲拡大し、さらにはネマチック相も形成されやすくした。片方末端にメチルチオ基(SMe)、反対側のパラ位にイソチオシアネート(NCS)、シアノ基 (CN)を導入した2つの非対称性分子と両末端にSMeを有する対称系分子を合成し、0.7を超える複屈折を実現した。また、高複屈折性のメソゲンに対してアクリル基を2つ導入した架橋剤とアクリルモノマーを光重合することにより、高複屈折性のフィルムを作製することにも成功している。
【研究の社会的意義】
高複屈折性液晶材料はLCDフィルム、レーザー発振用フィルム、光記憶デバイス等への応用されており、さらなる高複屈折化が求められている。高複屈折性液晶は、偏光板やLCDフィルムを単一成分で作製することができ、ディスプレイの性能向上、大画面化、製造コストの削減など、そのインパクトは計り知れない。今回、実用化にはいくつかの壁があるが、上記の条件を満たす、複屈折0.8に迫る液晶材料の開発に成功した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【配分額】15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)