新規ナノカーボン(PPhS)の創製と高容量リチウム電池・キャパシター等への応用
【研究分野】機能材料・デバイス
【研究キーワード】
リチウムイオン電池 / 高容量新規キャパシター / 水素吸蔵剤 / 新規燃料電池電極 / 新規ナノカーボン / ナノカーボン / ハイドログラフェン / ポリフェン系有機半導体 / 水素吸蔵
【研究成果の概要】
キシレン樹脂を500℃から750℃の一定温度で熱反応させることにより、ハイドログラフェンの一種であるポリフェン系有機半導体(PPhS)を作製した。元素分析から得られたH/Cモル比は反応温度が高いほど小さく、550℃のもので0.39、750℃で0.24であった。また酸素原子もO/Cモル比で0.05〜0.08と無視できない量が存在することを明らかにした。吸着等温線から求められた細孔分布は、ミクロ孔が容積の大部分を占めており、熱反応温度により多少差があった。比表面積は750℃のもので460m^2g、650℃のもので580m^21gであった。PPhSを負極活物質としてリチウムイオンニ次電池セルを組み立て、充放電特性を測定した結果、650℃の初期充放電容量は、それぞれ1040mAh/g、680mAh/gと非常に大きなものが得られた。また5サイクル後の充放電のクローン効率はほぼ100%であり、650℃で590mAh/gであった。このPPhSは、ある種の黒鉛を混合することによってキャパシターの電極として有効であり、金属酸化物と組み合わせることによって、大きな蓄電容量が得られた。また、このPPhSには大きな水素の吸蔵能力があることも明らかにした。
さらに、このPPhSを従来の固体高分子燃料電池(PEFC)の白金維持触媒に混合することによって、同じ発電効果を出すのに大幅な触媒量の低減が可能であることを見いだした。炭素電極型キャパシターの放電効果を知るために、periodic porous nanocarbonを用いて実験を行い、比較的小さい細孔が大きな放電効果をもたらすことを明らかにした。炭素ナノ粒子であるPPhSはフィーダー細胞等と強い親和性があること、並びにある種の細胞増殖と関係することを明らかにした。
【研究代表者】