インターネット時代における量子化学文献データベースシステムの開発
【研究分野】物理化学
【研究キーワード】
文献データベース / データベース / 量子化学 / 非経験分子軌道法 / QCLDB / インターネット / WWW / リレーショナルデータベース / 非経験的分子軌道
【研究成果の概要】
本研究では、量子化学の非経験的分子軌道の波動関数を記載している論文の文献データベース(Quantum Chemistry Literature Data Base.以下QCLDBと略す)システムをインターネット化するための問題点を調べ、その解決をはかるため、様々の検討を行った。
1.QCLDBのホームページを作成し、利用者がインターネットを使って、そのホームページ上で検索作業が行える様なシステムを設計し、数種類のものを作成した(WWW-QCLDB)。岡崎国立共同研究機構・計算科学研究センターと東京都立大学計算機センターでこのシステムを一般に公開し、試験運用を行った。特に前者では、この3年の間に、世界中から3000以上の人が、12000回以上ログインし、5万回程度の検索をしている。インターネットの今後増々の普及により、このようなサービスの正式運用が非常に望まれている様子が伺える。
2.windows用のCD-ROMの作製を検討した。また既存のQCLDBデータを公開する場合に起りうる著作権に関する問題点を検討した。
3.データ検索プログラムを収録件数が数十万程度まで扱える新規のものに置き換えるため、市販のリレーショナルデータベース(RDB)ソフトを、WWW-QCLDBシステムに組み込むことを検討した。
4.収集査読者はこれまでQCLDBデータに関する作業を、分子科学研究所のワークステーションに直接ログインして行ってきた。しかしこの方法では、その機密性・機能性に問題があるため、直接ログインしなくても同様の作業ができるデータ登録システムをホームページ上に作成し、運用を行った。そしてその作業のためのマニュアル類もホームページ上に整備した。
5.研究組織全員が、毎年8月後半に分子科学研究所に集合し、収集査読データの集計作業を行った。全文献数は最新版で51,432にもなった。また毎年分子構造総合討論会において、収集・査読者用の講習会を開いた。
【研究代表者】