周波数可変真空紫外および極端紫外域レ-ザ-の開発
【研究分野】構造化学
【研究キーワード】
真空紫外分光 / 極端紫外分光 / 4波光混合 / 光解離 / 自動イオン化 / 偏光 / 眞空紫外光 / 固体表面 / 4波混合 / van der Waals錯体 / 光電子分光 / 高励起分子
【研究成果の概要】
真空紫外(VUV)および極端紫外(XUV)領域周波数可変レ-ザ-を色素レ-ザ-光の混合によって発生させる。目標として波長域210ー80nm,波長分解能70,000,パルス幅10ns,パルス当りの光子数10^<10>のレ-ザ-光を考慮する。第2の目標は、このVUVレ-ザ-光の分子分光への応用である。
非線形媒質としてKrを用い,4周波差混合によりLiF窓透過限界の115nm附近の周波数可変レ-ザ-の発生に成功した。レ-ザ-光の性能は,上記目標をほぼ満たしている。また,同じ非線形媒質を用いた4周波和混合によって,より短波長のXUV領域80nmまでのレ-ザ-光を発生させることに成功した。このために,差動排気システムを完成させた。さらに高感度飛行時間型質量分析計を組み合わせ,80nm附近のH_2分子の高分解能自動イオン化スペクトルの測定に成功した。
NO_2の光解離で生成したO原子を130nmの共鳴遷移のレ-ザ-誘起螢光で検出し,かつ,光解離レ-ザ-の波長を走査する光解離励起スペクトルの測定に成功した。このスペクトルより正確な解離エネルギ-の決定のみならず,前期解離準位構造を明らかにすることができた。この方法は、光解離の分子的機構解明のために発展する可能性を有する。
非線形媒質としてCO分子を用い,4波混合で生成したコヒ-レント光の強度を入力レ-ザ-光の周波数の関数として追跡する新しい分光法をXUV領域まで拡張した。その結果、従来の分光法の適用が困難であった解離性の励起状態などの準位の高感度検出が可能な新しい分光法であることが判明した。
4波混合生成コヒ-レント光の偏光特性を調べることに成功し,周波数混合過程の磁気量子数の再帰性から説明できることを実証した。
【研究代表者】