大型地球観測センサを可能とする光学計測と構造制御の融合
【研究キーワード】
リモートセンシング / 静止光学 / 光学測定 / 構造制御 / 地球観測 / 大型望遠鏡 / 構造 / 光学計測 / 宇宙望遠鏡
【研究成果の概要】
本研究では、宇宙で用いる大型望遠鏡を視野に、波面計測と構造制御の融合により、波面の制御を目指すものである。
望遠鏡に対して、光シャワー法を導入するための光学系の検討を行い、焦点面配置と発生する光学パターンの関係を明らかにした。焦点面に配置した半導体レーザ光を光ファイバー端から射出することで、望遠鏡から平行光を発生させ、そのビーム特性の評価を実施した。また、シャックハルトマンセンサ、干渉計およびオートコリメータ方式で得られる物理量についての比較検討を行い、主鏡の変形量を計測するための感度を求めた。一方、3年目以降に実施する大型望遠鏡実験においては、通常の主鏡に対して焦点距離が短いため、光ファイバーから射出する光では、十分な開口数(NA)が得られないため、リレー光学系が必要であることが判明し、光学系の設計を開始した。
宇宙望遠鏡の結像のためには、主鏡と副鏡の間の支持構造を制御し、適切な焦点位置を維持ことが求められる。軌道上の過酷な環境の下で高い寸法安定性を実現するために、センサを構造に統合した変位測定干渉計システムを構築した。この目的のために、レーザを用いるファブリペロー変位センサを軽量トラス構造の端に組み込んだ。このことで、トラスの変位を精密に計測できる。提案手法の性能を検証するために、2種類のトラスストラットに対して、熱膨張の測定を実施した。ステンレス鋼および低熱膨張セラミックの熱寸法安定性を評価し、従来のレーザ干渉方式の測定システムと比較した。本手法は従来の測定システムと同様の精度を持ち、構造に組み込んだ形で運用できるため、軌道上でも適用可能な測定システムを提供できることが判明した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
水谷 忠均 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 研究開発部門 | 研究領域主幹 | (Kakenデータベース) |
木村 俊義 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 研究開発部門 | 上席研究開発員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)