系外惑星の軌道・表層進化とそのリモートセンシングへの応用
【研究キーワード】
系外惑星 / リモートセンシング / 大気大循環モデル / 天体力学 / バイオシグニチャー / 三体問題 / 大循環モデル / 星震学
【研究成果の概要】
本年度予定していた4つの具体的なテーマとその結果は以下の通りである。
1) ブラックホールと恒星の連星系に対して、その恒星の動径速度時間変化から、その内側のブラックホールが単独ではなく連星である可能性を探るため、天体力学の3体問題の摂動論を応用した解析的近似式と実際の数値計算を組み合わせて、内側のブラックホール連星のパラメー タを推定する方法論を構築した。さらに、永年摂動法を用いない直接粒子シミュレーションを用いて、それらの軌道不安定性を考察中である。
2) 星の測光光度曲線からその自転周期を推定し、星震学と組み合わせることで、星の自転傾斜角を推定する研究に関しては、ケプラー衛星が観測した92個の太陽型恒星を選び出し、それらに対する測光的周期解析と星震学による周期推定を系統的に比較した。その結果、測光的周期は時間的に変動する場合が多く、それは表面の黒点の力学進化を示唆していることを結論した。一方で、1割程度は長期間にわたり安定した周期が得られるため、微分回転に対する強い制限が得られることがわかった。
3) ALMA望遠鏡で観測されている複数の原始惑星系円盤のダスト分布を初期条件として、それから生まれる複数惑星系を数値的に計算した。その結果、ほとんどは安定した系であり、ホットジュピターのような系は生まれないことがわかった。これは、観測されている円盤系がそのような遠方で大きな惑星を生むものにバイアスされている可能性と、その円盤に対する外的摂動の効果を無視したことに起因する可能性が考えられる。
4) 地球の表層データを用いて、太陽に対する自転傾斜角を変化させた10個程度の大循環シミュレーションを実行し、リモートセンシングの模擬観測を行うテーマに関しては、時間的に実行できなかった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石渡 正樹 | 北海道大学 | 理学研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
河原 創 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)