宇宙における高密度物質の相転移現象の研究
【研究分野】物理学一般
【研究キーワード】
宇宙論 / 宇宙初期 / 超新星 / 中性子星 / 相転移 / ニュートリノ / Highlights of Astronomy
【研究成果の概要】
本研究の成果は次の3つにつとめられる. 1.宇宙初期: 量子宇宙論として, 時間を陽に含み且つ確立が正値確実である方法を作り上げた(粕谷). インフレーション宇宙におけるバリオン数生成を調べ, i)再加熱時における非熱的効果が極めて重要であること, ii)カオテイクインフレーションモデルではバリオン数ドメイン構造が作られる可能性があることを明らかにした. 密度ゆらぎの成長を調べ, 3K背景輻射の一様性からの制限を明らかにした(佐々木). レプトン数非対称な宇宙での元素合成を調べ, これまでの制限より厳しい制限がつけられることを示した(佐藤).
2.超新星・中性子星 : 超新星1987Aからのニュートリノバーストを理論的に解析し, i)理論の予言と極めて良い一致を示していること, ii)生まれた中性子星質量は1.2〜1.6Mo程度であること, などを明らかにした(佐藤). 有限温度QCD相転移をモンテカルロ法で数値実験をおこない, この相転移が1次の相転移であることを明らかにした(宇川). カイラルバッグ理論に基き, スピンフレーバ秩序をもつクオーク層状物質間の問題を調べ, その結果クオーク系の接近でカイラル場の様相が大きく変化することを示した(玉垣).
3.高密度プラズマ: 太陽中心における 水素-鉄の二相分離の可能性を調べ, 太陽中心ではおこらぬことを明らかにした(一丸). Weinberg-Salam理論に基き, ニュートリノロスを詳細に計算した(伊藤).
【研究代表者】