メコンデルタにおける海面上昇に伴う水稲生産の脆弱性評価
【研究分野】農業環境工学
【研究キーワード】
塩水遡上 / 塩害 / 気候変動 / 国際研究者交流 / ベトナム
【研究成果の概要】
海面上昇に伴う塩水遡上がベトナムメコンデルタにおける水稲生産に与える影響について、現地調査、過去のデータ解析ならびに現地関連研究者との議論に基づいて、現在および将来の脆弱性を評価した。まず、脆弱性指標を与えられた気象条件、利用可能な水資源条件下における、水稲栽培に必要な期間と実際の栽培可能期間との差によって定義した。そして、この指標は過去の塩水遡上現象による影響を適切に記述できることを確認した。さらに、気候変化シナリオとメコン河流量の変化推計に基づいて、メコンデルタにおける水稲栽培暦、収穫面積、ならびに収量の変動について推計した。気候変化に伴う小雨ならびに洪水によって、海岸地域とメコン河上流での収穫面積は減少することが推計されたが、他の地域での収穫面積の増加により、その影響は相殺されることが示唆された。収量は気温上昇に伴って減収するが、栽培可能面積の変動は比較的小さく、デルタ全体としては、現在の生産量に比べておよそ11%減少すると推計された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小寺 昭彦 | 農業環境技術研究所 | 大気環境研究領域 | 農環研特別研究員 | (Kakenデータベース) |
坂本 利弘 | 農業環境技術研究所 | 生態系計測研究領域 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【配分額】10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)