プルーム尾部の地質情報からマントルの大規模上昇を知る
【研究キーワード】
火山 / マグマ / 大陸洪水玄武岩 / 巨大海台 / ホットスポット / 海台
【研究成果の概要】
地球の歴史において最大のマグマ活動により形成された火山は大規模火成区(LIPs:Large Igneous Provinces)と呼ばれている。LIPsは地球内部での大規模循環を知る手がかりとして重要であり,生物の大量絶滅を引き起こした火山活動としても注目されている。LIPsの形成案として「プルームモデル」が広く受け入れられている。地下深部から上昇してきたプルームの頭部が溶融してLIPsマグマをつくり,尾部の活動がホットスポット火山列を形成するという案である。しかし,これまでにプルームが存在する明白な証拠はLIPsの火山岩からは検出されていない。一方,プルーム尾部に起源を持つホットスポット火山列からはプルーム情報が得られる可能性が高い。そこでLIPsから続くホットスポット火山列の研究を行っている。具体的な研究対象地域は、太平洋の海底火山と東アフリカのエチオピアおよびエジプトの火山である。
令和2年度は,エチオピアの研究者(アジスアベハ大学)を日本へ招へいした共同研究とエチオピアの現地調査を予定していたが、コロナ禍および現地の内戦のために実施できなかった。そのため,これら研究は令和3年度で行うことにし,予算の一部を繰り越した。ところが、コロナ禍の長期化とエチオピアの内戦激化により、令和3年度も渡航が不可能となり、海外旅費を使用することができなかった。
代わりにエチオピアの協力研究者から岩石試料を送ってもらい、化学分析を進めた。多量の岩石試料を受け取ったが、化学分析を専門とする研究分担者達が現場で岩石採取を行えなかったので、良質なデータを得るための分析に適した試料は少なく、分析処理装置や分析機器を酷使し、汚染も発生した。また次年度に行う予定であった化学分析も前倒しして行った。そのため、分析前処理装置の新規購入や分析装置の一部部品の交換等を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石川 晃 | 東京工業大学 | 理学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
清水 健二 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所) | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
Tejada Maria・L・G | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター) | 主任研究員 | (Kakenデータベース) |
羽生 毅 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター) | グループリーダー | (Kakenデータベース) |
中西 正男 | 千葉大学 | 大学院理学研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
石塚 治 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 地質調査総合センター | 首席研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】32,760千円 (直接経費: 25,200千円、間接経費: 7,560千円)