アジアモンスーンの形成機構とその変動に関する総合的研究
【研究分野】環境動態解析
【研究キーワード】
GEWEX / GAME / アジアモンスーン / 熱・水循環 / 大陸スケール / 集中観測 / 熱帯 / チベット高原 / シベリア / 植生フラックス観測 / 広域土壌水分分布観測 / チベット / アエロゾンデ観測 / 冬期集中観測
【研究成果の概要】
本研究班はGEWEX/GAME(アジアモンスーンエネルギー水循環観測研究)における熱帯、チベット、シベリアの各地域班の研究推進を図るために編成された。特に、熱帯とチベットでは1998年春季から夏季にかけて予定されている集中観測の予備観測や準備に、シベリアでは1997年夏から開始した第1期の陸面過程を主とした通年観測の冬期観測に、本経費は有効であった。タイでの活動は主に、フラックス観測、衛星同期観測、GPS観測、データ収集に分けられる。地表面フラックス観測は、タイ北部チェンマイ近郊のKogMa水文試験地で、森林樹幹上でのフラックス並びに林内の風速、気温、湿度プロファイルを観測し、森林地におけるフラックスを計測し、乾季のある熱帯森林からのフラックスを定量的に押える集中観測が行われた。また、北中央部スコータイの水田ではタワーによる自動観測が行なわれているが、それ以外の植生地からのフラックスを押えるために、平地林地と畑地とで1週間程度ずつ観測が行なわれ、広域でのフラックスを算定する試みが行なわれた。また、蒸発量を決定する一要因である表層土壌水分量を衛星で広域に推定するために、100mスケールと1kmスケールの土壌水分分布観測を衛星と同期して行ない、グラウンドトルースデータを基に、SARを用いて推定するアルゴリズムの開発を行なっている。さらに、タイ隣国のマレーシアとシンガポールとの共同研究の可能性について各国関係機関との話し合いを持ち、また気象・水文データ収集を行ない、ルーチンデータによる研究が進められた。
チベット班では、日本人研究者を2名オーストラリアに派遣して,チベット高原でのアエロゾンデ観測の実行計画について研究打ち合わせを行った.シベリア地域では、平成9年度夏にツンドラであるティクシと平地タイガであるヤクーツクの両地点に設置した大気境界層観測装置の冬期間における維持と冬季集中観測を行った。
【研究代表者】