地球物質大循環と玄武岩マグマの生成
【研究分野】岩石・鉱物・鉱床学
【研究キーワード】
マグマ / 玄武岩マグマ / マントルプルーム / ホットスポット / ハワイ / マントルダイナミクス / ポテンシャル温度 / プルーム / 玄武岩 / マントル / 地球ダイナミクス / 火山 / 地球 / 洪水玄武岩 / 超高圧
【研究成果の概要】
代表者の高橋は平成12年度より5年間の予定で申請した特別推進研究「ホットスポットの起源」が採択されたことにより、研究専念義務に抵触することから基盤研究A「地球物質大循環と玄武岩マグマの生成」については研究そのものを辞退することを余儀なくされた。したがって以下に述べる研究成果の概要は特別推進研究が決定した平成12年7月までのものである。
基盤研究A(地球物質大循環と玄武岩マグマの起源:1998-2000年度 代表者 高橋栄一)で、ハワイオアフ島のコーラウ火山の成長史をフィールド調査と巨大山体崩壊(ヌーアヌ地すべり)により深海底に露出した部分への潜水調査によって研究した。その研究成果は2000年6月日米の研究者50人を集めた東京シンポジよって明らかになった最も重要な点は、一つのハワイ楯状火山(コーラウ)がキラウエア型、マウナロア型を経て最終的にコーラウ型のマグマ組成に至る複雑な成長史を持つことをはじめて明らかにした点である。火山成長史と高温高圧融解実験に基づき我々は新たなハワイマントルプルームモデルを提案した。我々のモデルではマグマを発生するプルームの温度が従来の推定値より200℃も低温である。プルームの推定温度に大きな差が出る理由は、マグマを生成する物質が従来のモデルではペリドタイト、我々のモデルでは主としてエクロジャイトと仮定しているためである。従来のモデルに従って高いプルーム温度を仮定すると海洋地殻成分は深さ200km付近で融解を開始しハワイプルーム頂上部に達するまでに周囲のペリドタイトと完全に均質化してコーラウ型のSiO2に富むマグマを生成することはあり得ない。
【研究代表者】