超伝導重力計を用いたインドネシア・中国・日本の重力変化の比較研究
【研究分野】固体地球物理学
【研究キーワード】
超伝導重力計 / 絶対重力計 / 地球潮汐 / 海洋潮汐 / インドネシア / 中国 / 島弧 / 上部マントル構造
【研究成果の概要】
東アジアにおける超伝導重力計ネットワークを用いて島弧と大陸の下の地殻および上部マントルの構造の違いを明らかにすることを目的として、研究代表者らは、平成9年12月に京都大学が保有する2基の超伝導重力計のうち1基をインドネシアのバンドン市内にあるインドネシア火山調査所(VSI)内の地下室に移設し、観測を開始した。その後、平成10年4月に、落雷の直撃を受けて、データ集録装置と冷却用コンプレッサーが故障したため観測が中断していたが、平成10年12月に修理が完了し、観測が再開された。その後、観測は順調に継続され、平成11年2月、同8月及び平成12年1月に液体ヘリウムの充填を実施した。
バンドン市の超伝導重力計で得られた観測データに基づき、潮汐定数を決定した後、地球潮汐の観測に及ぼす海洋潮汐の荷重影響を計算した。その結果を京都及び阿蘇における同様の計算結果と比較した。
また、中国科学アカデミー地球物理学及び測地学研究所(武漢市)と中国計量科学院(北京市)が所有する絶対重力計を用いてバンドン市及び日本国内の超伝導重力計のキャリブレーションを実施する計画であったが、平成10年度、京都大学にFG5型絶対重力計が導入されたので、この計画を変更し、平成11年度に中国側研究者を日本に招聘し、京都大学の絶対重力計を用いて京都の超伝導重力計のキャリブレーションを共同して実施した。さらに、平成11年度に研究代表者(竹本修三)が訪中し、武漢市の超伝導重力計観測施設や北京市・中国計量科学院の絶対重力計開発室などを見学し、中国側研究者と意見交換を行った。その後、日中の研究者が協力して、京都及び武漢で得られた超伝導重力計観測データのノイズレベルについて比較検討を行い、得られた成果をJournal of Geodesy誌に投稿した。
【研究代表者】