超大規模シミュレーションで再現する大地震の動的破壊過程
【研究キーワード】
カイコウラ地震 / 動的破壊シミュレーション / 地震発生 / H行列 / 地震サイクル / 高性能計算 / 高速領域分割法 / モデル / シミュレーション / 並列計算 / 地震 / 動的破壊 / 地震シーケンス / FDP / H-行列法 / 境界積分方程式法 / 境界要素法 / 北海道胆振東部地震 / Ridgecrest earthquake / 破壊 / スーパーコンピュータ
【研究成果の概要】
境界積分方程式法を用いた完全動的破壊シミュレーションおよび準動的地震サイクルシミュレーションに対して,高性能並列計算機(HPC)環境へのアルゴリズム最適化を行い,超大規模計算でしか実行できない現実的な地震現象のモデル化を行っている.これまで,高速
領域分割法(FDPM)に基づく動的破壊伝播シミュレーションを用いて,2016年カイコウラ(ニュージーランド)地震,2011年福島県浜通りの地震,2011年・2015年茨城県北部の地震について,断層の3次元複雑性を考慮したモデル化を行い,実際に観測された動的破壊過程の再現およびパラメタスタディによるモデル挙動の評価を実施した.また,準動的地震サイクルシミュレー ションコード(HBI)に,格子H行列法の汎用ライブラリであるHACApKを実装し,超大規模並列において通常H行列の実装を凌駕する性能を持つことを示した.本コードの計算結果 は,南カリフォルニア地震センターの実施する国際的なコード評価プログラムに投稿し性能評価された.さらに本手法を用いて断層形状複雑性を考慮したモデルにより余震の発生過程をシミュレートすることに初めて成功するとともに,断層の屈曲構造が地震規模の長時間統計に与える効果を一般的に明らかにした.また,中央構造線活断層帯を対象として,実際の断層における応力蓄積と地震発生過程のサイクルのモデル化を行った.さらにH行列法をこれまでの静的問題から動的問題への適用を可能とするFDP=H行列のアルゴリズム開発を行い,3次元動弾性変位波動問題に対してHACApKを拡張し実装した.本アルゴリズムの計算性能を評価したところ,近似精度と数値計算効率化の両面で期待通りの結果を得た.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
伊田 明弘 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター) | 副主任研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)