電離層数値モデルと陸上・海底磁場データを組込んだマントル遷移層描像手法の新展開
【研究キーワード】
Sq場 / GAIAモデル / ビオ・サバール則 / 電磁誘導 / 電気伝導度インバージョン / GAIA / 電離圏 / マントル遷移層 / 電気伝導度 / 磁場データ
【研究成果の概要】
本研究は、電離層起因の変動Sq場を磁場励起源(=入力)とした電磁誘導法により、深さ400-650 ㎞ マントル遷移層を主なターゲットとして地下深部の電気伝導度分布の推定を行い、地球マントルの構造およびそのダイナミクスについての情報を抽出することを目的としている。ここで電離層起因の入力項は、「大気圏ー磁気圏結合モデル(GAIA)」と呼ばれる全地球大気のシミュレーションモデルを基におこなう。GAIAは、地表での温度・気圧・風速および熱圏上端での太陽放射等を境界条件とし、大気圏・電離圏の物理化学過程(光化学反応、イオンー中性粒子の衝突、電磁流体ダイナモ過程等)を数値計算し、中性大気やプラズマ粒子の位置・速度分布をシミュレーションするものである。
本研究は今年度は、この高解像度のGAIA電離層電流モデルを用いて地球全地表面における入力磁場変動を数値計算した。具体的には各格子グリッドで定義された電流ベクトル3成分についてビオ・サバール則に則って地表面の各グリッド上に生成する磁場を積分計算して、各時間における全地表面での磁場モデルデータを作成した。当データは1996年ー2018年の間の30分毎の全球磁場値(緯度方向2度グリッド、経度方向2.5度グリッド)に相当する。また、並行して、これまでに開発した電気伝導度インバージョンコードを改修し、先述の入力データに対応するようにした。今後は、この膨大な入力データを周波数領域に変換し、3次元地球での電磁誘導計算・インバージョンに実装して、マントル電気伝導度3次元分布推定をおこない、マントル構造およびそのダイナミクスの解明をおこなう。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
馬場 聖至 | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)