多角的な監視による富士山の噴火予測精度高度化の研究
【研究キーワード】
富士山 / 噴火予測 / 地磁気観測 / マッチドフィルタ / 火山性地震
【研究成果の概要】
令和3年度の当初計画では、山頂に位置する認定NPO法人「富士山測候所を活用する会」が管理をしている旧気象庁・富士山測候所に新規観測点の設置を計画 していたが、コロナの状況が改善せず断念した。山頂の観測拠点は厳しい気象条件に耐えるため、極めて気密性が良く、密閉性の高い建物となっている。そのため宿泊者に登山前のPCR検査陰性と、2週間におよぶ検温が確認できるものという条件を満たす者だけが山頂での作業が許可されるという極めて厳しい条件が課された。
そのため令和3年度は、令和2年度に別途予算で設置した静岡県側新五合目・太郎坊地磁気観測点周辺の環境調査と、地磁気データ表示のためのポータルサイト開設や、主成分解析 (PCA)および独立成分解析(ICA)を組み込んだ地磁気データ解析システムを構築した。
地磁気観測点周辺の環境調査の重要性は、研究分担者である上嶋らがこれまでにも伊豆半島の全磁力データの解析等を通じて強調してきた。そのため令和3年 10月に、可搬式の全磁力計測装置を用い、太郎坊地磁気センサー周辺の詳細な全磁力測定を実施し、地磁気勾配図を作成した。
地磁気データ解析システムについては、プラットフォームをPythonとして開発を行った。解析には太郎坊(tarobo)の他、東大地震研(FJ1, todai),国土地理院 (富士吉田, gsi_fujiyoshida)および気象庁・柿岡地磁気観測所の全磁力データを用いた。
火山性地震の高感度検出については、共同分担者の楠城が中心となりマッチドフィルタ法を適用する事とし、予察的な解析を実施した。
【研究代表者】