高周波レシーバ関数解析および稠密海底地震観測網による巨大地震発生帯の調査
【研究キーワード】
沈み込み帯 / 巨大地震断層 / 海底地震計 / 波形解析 / ベイズ統計 / レシーバ関数 / 表面波 / 地震波解析 / 海域地震観測 / 地震波形解析 / 地震波速度構造
【研究成果の概要】
沈み込み帯で発生する巨大地震断層すべりの挙動を理解するためには、断層面における物性、とりわけ、断層面近傍に存在する水による圧力(流体圧)を把握することが不可欠となる。本研究では、自然に発生する地震の波形を密に設置した海底地震計で観測し、その波形解析から流体圧を調査することを目指す。
自然に起こる地震の波形は一般的に複雑な波形を示す。加えて、海底地震計では海水内や柔らかい海底堆積物の層内にトラップされた多重反射波の影響で、この複雑性はさらに促進され、詳細な地下構造の解析には向かないとされてきた。本研究では、この課題をベイズ統計による現代的な解析手法により克服した。
【研究の社会的意義】
本研究では、海底地震計で記録された自然地震データを利用した解析により、沈み込み帯巨大地震断層面近傍の構造を推定できることが新たに明らかとなった。この自然地震を用いた手法では、従来の人工震源を用いた探査とは異なる物理量に感度があるため、断層面近傍の物性をよりよく拘束することができる。今後、同様な稠密観測を進め、巨大地震断層面の物性をマッピングすることで、巨大地震の被害予測向上につながると期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)