気候変動が引き起こす災害・水資源・食資源・大気汚染の年代別リスク変化とその適応策
【研究分野】次世代の農資源利用
【研究キーワード】
大気汚染 / 森林火災 / 気候モデル / PM2.5 / 気候変動 / 農作物 / 経済分析 / 水循環 / シベリア / 陸面モデル / 温暖化実験 / 機械学習 / 灌漑 / 経済評価 / 環境経済 / 地球変動予測 / 自然災害 / 水資源 / 大気現象 / 経済政策
【研究成果の概要】
人類の持続可能性の観点から重要な,「災害」,「食(農)資源」,「水資源」,「大気汚染」に関連した研究を,気候モデル・衛星・再解析データ等を用いて解析し,経済分析を行った.大気汚染では,森林火災予測に直結する気候・環境要因を明らかにし,機械学習で火災予測の初期検討を行った.気候モデル実験では, シベリア森林火災が増加した際のPM2.5日平均環境基準を超える日数や若年性死亡数の変化を分析し,経済損失まで見積もった.また,MIROC最新版に改良版作物成長モデルMATCRO(作物4種)を導入した.水循環の観点から,日本では0.5K/100年間の気温上昇が存在で,実測降雨の新記録発生頻度が説明された.
【研究の社会的意義】
地球温暖化が進む中,人類の持続可能性に直結する「災害」,「食(農)資源」,「水資源」,「大気汚染」の変化が今後懸念される.本研究では,農作物4種を改良版MATCROとして最新版気候モデルMIROCに組み込み,今後の食資源と温暖化の関係の研究への貢献が期待される.さらに,シベリア森林火災が増加した場合に,大気汚染(PM2.5)がどの程度風下域へ運ばれ,人の健康と経済の観点から影響を与えうるかについて重要な知見を得た.また,温暖化時のこの森林火災増加の経済的影響まで評価ができた.これらは,初期的知見とは言え,将来の適応策を検討する際の重要な基礎データとなり,その社会的意義は大変大きいと考えられる.
【研究代表者】