保存・散逸性を保つ有限要素スキームの統一的構築に関する研究
【研究分野】工学基礎
【研究キーワード】
数値解析 / 偏微分方程式 / 保存則 / 散逸則 / 保存・散逸スキーム / 微分方程式の数値解法 / 離散変分法
【研究成果の概要】
1次元の問題に対して,保存・散逸性を保つGalerkinスキームの統一的構築の枠組みを完成した.この枠組みにおいて,従来重要とされてきた変分導関数の代わりに,偏導関数が同じく重要な役割を果たしうることを明らかにし,さらにその適切な離散化方法を提案した.この枠組みを利用して,KdV方程式,非線形シュレディンガー方程式など,代表的な種々の方程式を離散化し,実際に保存・散逸性が保持されることを確かめた.
さらに,計画立案時点では予期されていなかった,まったく新しいタイプの偏微分方程式に対しても,上記の枠組みが拡張可能であることを,追加の成果として発見した.これは時間微分項にさらに空間微分がかかっているCamassa-Holm型の方程式であり,従来,これに対する保存スキームは発見されていなかったが,本研究により初めて保存スキームの存在が確かめられ,実際に数値実験によりその有効性が示された.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)