鉱物の構造・物性予測のための計算機シミュレーションシステムの開発
【研究分野】岩石・鉱物・鉱床学
【研究キーワード】
計算機シミュレーション / 高温高圧 / ケイ酸塩鉱物 / 原子間相互作用 / 分子動力学法 / 格子動力学法 / 鉱物 / 構造と物性 / 地球内部
【研究成果の概要】
鉱物の構造及び種々物性の計算機シミュレーションの手法としては,エネルギー最小化(WMIN)法,格子動力学(LD)法,分子動力学(MD)法が最近良く用いられている.本研究ではまず,これら互いに異なった特徴を持ち,相補的なWMIN, LD, MDの3方法を,広く一般の鉱物科学者が使用しやすいように整備し,且つ用途に応じて3方法を使い分けることが出来る計算機シミュレーションシステムを構築した.
計算機シミュレーションの成功の可否は,いかに高精度で,且つ実際の系に適用可能な原子(又はイオン)間ポテンシャルを使用できるかどうかによる.故に,地球を構成する主な元素である,Na, Mg, Al, Si, K, Ca, Oの7原子系についての原子間ポテンシャルを,実測の構造・物性データに基づいた経験的手法と,量子力学計算に基づいた非経験的手法を併用することにより極めて精密に求めることを試みた.
経験的手法では,地殻,マントルの重要な構成鉱物であるシリカ,長石,カンラン石とその高圧相,キ石とその高圧相,各種酸化物をとりあげ,それらについての実測の結晶構造データ,圧縮率・弾性定数データを高精度で再現するとの条件を用いて,上記7原子系についての精密な原子間ポテンシャルを導出することに成功した.
一方,非経験的手法では,上記7原子系の各種モデルクラスターについて,それらの電子状態,原子間相互作用の量子力学計算を行い,その結果を用いて,有効原子間ポテンシャルの導出を行った.加えて,多体ポテンシャルの可能性を検討した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
常行 真司 | 東京大学 | 物性研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 2001
【配分額】7,800千円 (直接経費: 7,800千円)