定荷重圧力装置を用いたドハース振動観測装置の開発と強相関電子系のフェルミ面の研究
【研究キーワード】
純良単結晶育成 / 高圧実験 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 単結晶育成 / ドハース・ファンアルフェンん効果 / 高圧 / 量子臨界点 / 強相関電子系 / 高圧力
【研究成果の概要】
定荷重圧力装置を用いた圧力下のドハース・ファンアルフェン(dHvA)振動およびシュブニコフ・ドハース(SdH)振動を観測するための圧力セルの製作および希土類元素や遷移金属元素を含む強相関物質の単結晶育成を行い,電気抵抗や比熱,磁化およびdHvA (SdH) 振動の実験からその電子状態および磁性状態を調べた。重い電子系CeIrIn5やCeRhIn5では,メタ磁性やリフシッツ転移前後の電子状態を調べた。また,重い電子系強磁性体CeRh6Ge4および参照物質のdHvA効果の実験からは,Ceの4f電子は先行研究で考えられていたような局在電子ではなく,遍歴電子であることを明らかにした。
【研究の社会的意義】
希土類元素や遷移金属元素が有するf電子やd電子は,他のs電子やp電子を媒介として,強い磁性や超伝導といった学術的に興味深い物性を引き起こす。また,半導体的,絶縁体的な性質を示す場合も,f電子やd電子は重要な働きを示す。このような物質の本質的な電子状態を明らかにするためには,純良な単結晶を用いた圧力実験と強磁場実験が重要な役割を果たす。本研究では,圧力下のdHvA実験の適用範囲を広げるための圧力装置の開発を行うとともに,純良な単結晶,新物質の単結晶育成に成功した。これは強相関電子系の研究を推進する上で,学術的に意義の高い研究であると言える。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
上床 美也 | 東京大学 | 物性研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)