トラップされた原子を媒質とした二光子レーザー発振の実現
【研究分野】物理学一般
【研究キーワード】
二光子レーザー / レーザー冷却 / ドレスド状態 / 強度相関 / 量子干渉 / 精密分光 / ド-ナツビームトラプ / ボ-ズアインシュタイン、縮 / 原子トラップ / ボ-ズ凝縮 / 磁気光学トラップ / ド-ナツビーム / 電磁光学トラップ / 共振器量子電気力学 / レーザー分光 / 超微細構造 / 四光波混合
【研究成果の概要】
外部共振器型の半導体レーザシステムと磁気光学トラップ(MOT)用の真空槽を製作した。レーザー周波数はルビジウム原子の超微細構造間の光学遷移に固定し安定化している。
まずガラスセルを用いた分光では、自然幅に制限された分解能を得た。
次にルビジウム原子をMOT中に閉じこめ各種分光を行った。MOTのために用いるトラップレーザーとリボンプレーザーの2台のレーザー以外に、強度の弱いプローブレーザーをトラップ中に導くことで、原子トラップを壊すことなく精密な分光が行える。我々はプローブレーザーの透過スペクトルを、トラップ、リポンプレーザーの偏光、強度、離調を系統的に変化させて測定した。また、プローブレーザーの反射スペクトルも観測した。これらのスペクトルはドレスド原子の描像によりよく説明できた。
MOTに引き続き偏光冷却(PGC)を行うことで、約10μKという超低音のルビジウム原子集団を得ることができた。また、dark MOTと呼ばれるMOTを改良した原子トラップを作ることで、原子の密度を以前の1.5倍にすることができた。
また、全く新しい方法による中性原子のトラップを実現した。この新しく我々が開発した方法は、断面がド-ナツ状のレーザー光を用いるものであり、従来の方法よりも簡便でかつ高性能なトラップが実現できる。特に、磁場を用いずにすべて光のみで行うため、トラップした後の原子を自由自在に操作することが可能である。さらに、ここで開発したトラップは原子が外場がゼロになるところにトラップされるため、物理の基本原理を検証する実験に大いに役立つものと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
平野 琢也 | 東京大学 | 大学院・総合文化研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1995 - 1996
【配分額】6,600千円 (直接経費: 6,600千円)