大質量星の重力崩壊に伴う磁気流体ジェットの加速メカニズム
【研究キーワード】
大質量星 / ジェット / 数値シミュレーション / 重力崩壊 / マグネター / 相対論的ジェット / Rayleigh-Taylor不安定性 / 磁気流体ジェット
【研究成果の概要】
本研究の目的は、数値シミュレーションを用いて大質量星の重力崩壊時に出現するジェットのダイナミクスを明らかにすることである。本研究では大質量星の重力崩壊とジェット伝搬を切り分け個々の現象を精度良く求めた。その結果、重力崩壊にともなう磁束の保存によりマグネタークラスの磁場が形成される場合にはジェットが駆動されることがわかった。一方、ジェット伝搬においては、磁場を含まないジェットは振動にともなう慣性力を起源とする流体不安定性の成長の影響でジェット形状が崩れジェット外媒質との混合が生じジェットの流体速度が減速することがわかった。
【研究の社会的意義】
相対論的ジェットのダイナミクスは、大質量星の重力崩壊時に出現するジェットだけではなく、銀河中心にある巨大ブラックホール近傍から駆動される活動銀河核ジェットにも共通する物理である。特にジェット伝搬中の安定性の議論は、スケールの違いはあるがそのまま応用可能である。本研究課題で明らかにしたジェット振動にともなう慣性力を起源とする流体不安定性の成長によるジェット形状の変化は、活動銀河核ジェットの電波観測による形態の分類の物理的起源に迫る手がかりとなる可能性を秘めている。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2019-08-30 - 2021-03-31
【配分額】2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)