パルス超強磁界トカマクによる核融合炉安全工学実験装置の開発研究
【研究分野】核融合学
【研究キーワード】
核融合 / トカマク / パルス / 強磁界 / 超伝導 / プラズマ / Force Balanced / 超強磁界トカマク炉 / プラズマ挙動 / 電磁力平衡コイル / コスト
【研究成果の概要】
研究経過
昨年製作した電磁力平衡(Force Balanced)コイルによる無力磁界コイルの実証試験を行った。NbTi超電導線によりトロイダル、ポロイダル一体化コイルを設計し、製作を行った。これは、世界で初めての超伝導電磁力平衡コイルである。FRP製の巻き枠をNC工作によって作り、およそ5000ターンの巻き線を手作業で行った。設計最大磁界は2Tである。しかし、コイルがほとんど巻き枠で抑えられていないコイルとしては大きい磁界である。このコイルを液体ヘリウム中で励磁し、トレーニング無しに70%の通電が可能であった。これはこの無力磁界巻きの優秀さが現れた結果だろうと見ている。
マルチヘリカル電磁力平衡コイルを用いてトラマクプラズマが生成できることを確かめるための電源装置、真空容器と計測装置を建設した。プラズマの生成は次年度になる。
電磁力平衡コイル超強磁界パルストカマク炉の概念検討と運転シナリオの検討を行なった。これによれば、核融合中性子の発生装置として極めて有望であることがわかった。この検討はIAEA核融合エネルギーの国際会議に発表の予定である。
パルス超強磁界トカマクの運転シナリオの検討は、パルス運転の欠点があったが最近のブートストラップ現象がプラズマ電流を維持するので、負イオン中性粒子加熱による若干の電流駆動で本装置が定常炉にもなる可能性が出てきた。
【研究代表者】