エンタングルメントを保持する非平衡定常状態の解析と量子計算への応用
【研究キーワード】
量子計算 / 量子アルゴリズム / 量子コンピュータ / 熱平衡化 / 一次元系 / ソリトン / エンタングルメント / 非平衡系
【研究成果の概要】
変分量子固有値計算法(VQE: variational quantum eigensolver)は、量子-古典のハイブリットアルゴリズムの一つの例で、量子コンピュータ上でパラメータ付きの試行状態を作り、測定結果からエネルギー期待値を計算し、古典コンピュータが変分法を用いてエネルギーが最小になるようにパラメータを最適化する。VQEの課題として、最適化の過程でプラトーにトラップされる場合がある。今年度は、勾配が消失し学習が停滞したプラトーに対して揺動散逸定理を適用し、ノイズの性質を議論した。
量子アルゴリズムの開発に関しては、量子回路の回転ゲートの回転軸を連続的に最適化する方法の解析に取り組んだ。従来の回転角を最適化する手法や、回転角を離散的に最適化する先行研究に比べて、量子回路の表現能力を向上させ、計算コストを低減できることを示した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)