10^<14>〜10^<16>eV領域の一次宇宙線の核組成の研究
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
宇宙線 / 起源 / 空気シャワー / 核組成 / 空気チェレンコフ光 / 縦方向発達
【研究成果の概要】
平成5年度は測定装置の制作組立および測定システム、解析ソフトの作成を行った。測定装置は空気チェレンコフ光検出装置、コインシデンス回路、空気チェレンコフ光時間波形測定装置、波形記録装置によりなる。空気チェレンコフ光検出装置は5インチ光電子増倍管(PMT)7本をコモンアノードで結合した受光部分、各PMTへの高圧印加部分よりなり、2台制作した。本研究では空気チェレンコフ光の時間波形を5nsの精度で測定する必要があり、PMTは立ち上がり特性3nsの浜フォトR1250を用いている(既存)。また、受光信号は光周波特性のよい11D5AF約200mを介して測定室に伝送され、デジタルオシロ上に記録される。ダイナミックレンジを3桁確保するため、異なった縦軸感度に設定された2つのオシロを用いる。受光信号は空気シャワーが空気シャワーアレイに入射したときに記録される。このためのコインシデンス回路を自作した。これにより10^<13>eV代後半からのシャワーに付随した空気チェレンコフ光の時間波形の測定が可能となる。デジタルオシロに記録された波形はGPIBによりパソコンを介して8mmテープ上に記録保存される。このためのシステムソフトの開発もほぼ終了した。得られるデータはワークステーションにて波形解析を行い、波形を特徴づけるパラメータT_<20-80>を算出する。このための解析ソフトの開発もほぼ終了した。
本実験は平成6年度8月以降より南米ボリビア、チャカルタヤ山宇宙線観測所において行われる。これに先立ち、平成6年4月東京大学宇宙線研究所明野観測所において準備実験を開始する。6月には装置をボリビアに輸送する。輸送には文部省海外特別事業費を用いて行う。また、装置設置、観測実施のための人員派遣経費は配分が予定されている科学研究費海外学術調査費を用いる。
【研究代表者】