CMB偏光観測による原始重力波の探索: Simons Arrayから次世代実験へ
【研究キーワード】
原始重力波 / 超伝導検出器 / 偏光 / 角度較正
【研究成果の概要】
本研究では、世界初の望遠鏡群によるCMB偏光実験「Simons Array」を実現し、CMB偏光の精密測定を行なって原始重力波の探索を行うと共に、次世代実験での超精密観測の実現に向けた基盤技術の確立を目的としている。
Simons Arrayでは3台の望遠鏡を同時に稼働させる。今年度はCOVID-19の影響で現地での作業は出来なかったが、現地エンジニアと協力をして1台目の試験観測を進め、望遠鏡の基本性能の評価とそれをもとにして観測計画を固めた。試験観測については分担者の金子・西野を中心として進めている。2台目望遠鏡については、レシーバの望遠鏡への搭載時に装置に不具合が見つかり、日本・米国の関連機関にて修理を行い再びチリに輸送を開始したところである。早々にサイトでの準備を進め、早期のファーストライトおよび観測開始を目指している。分担者の南は、一昨年度に開発した、観測データのみを用いた新しい偏光角較正法を他実験のデータに適応し検証作業を進めると共に、宇宙論的複屈折の探索を進めている。Simons Arrayでも追試を行うための観測計画を固め、次年度より開始する予定である。分担者羽澄による、地上実験のノウハウを衛星実験に繋げるための国際協力によるプロジェクト化も進展している。加えて金子を中心に行なっている次世代実験のための人工較正源の開発も進展しており、プロトタイプ機を米国の共同研究機関に送り、次世代実験用のセンサーに適応して、問題なく使用できることを確認し、実機の製作に着手している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
羽澄 昌史 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 | 素粒子原子核研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
金子 大輔 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 | 素粒子原子核研究所 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
西野 玄記 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター | 情報処理推進室 | テニュアトラック研究員 | (Kakenデータベース) |
南 雄人 | 大阪大学 | 核物理研究センター | 特任助教(常勤) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2019-10-07 - 2023-03-31
【配分額】18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)